Shin Takamatsu Architect and Associates Co.,Ltd. 株式会社高松伸建築設計事務所

四天王寺学園小学校体育館

本計画は四天王寺学園小学校・四天王寺学園大学藤井寺駅前キャンパス(第一期:2009年完成)、四天王寺学園中学校・高等学校(第二期:2014年完成)の建設に続き小学校体育館を増設する第三期工事である。
2017年、四天王寺学園高等学校開校により、第一期工事で設置した体育館を中学生・高校生が利用することになるため、必然的に小学生用の体育館建設計画が検討されることになった。
議論の結果、新体育館の設計に求められるところの課題はおよそ以下の二点に集約されたと言えよう。
ひとつは、安全性と機能性を追及することによって児童の日常的な体育活動に十全に応答する建築を実現すること。次に、礼拝講堂としての利用にふさわしい象徴性と空間性を有する建築を創出すること。ある意味二律背反的とも言えるこの要請を受け、設計者は試行錯誤の過程を経た末に、かつてお釈迦様が説法されたところの竹林精舎に発想の源を求め、「竹林」が児童を見守り祝福するというデザインコンセプトに辿り着くこととなった。
具体的には、縦7m、幅45cmの極めて細長いプロポーションの開口部を東西南側全周に配し、開口部の形状を近隣の視線に配慮して45度傾けた。ちなみにその傾斜角度は、お釈迦様誕生の日の朝日の入射角度に基づいて決定されている。加えて、開口部にはさながら竹の節を思わせる分割の窓枠を装着し、かつ開口部脇のコンクリート面を若竹色に彩色した。これによって、外観はコンクリート打放しによるシンプルで堅牢な佇まいながら、昼間はさながら陽光を受けた若竹の林立を彷彿とさせつつ、夕刻時には内部からほのかに洩れる照明が光の竹林を浮き立たせるかの如き、表情豊かで、どちらかと言えば柔和な建築が実現することになった。
内部もまたこれに呼応するしつらえである。児童を木の優しいぬくもりで包むべく壁面を木質化するとともに、幅13m、奥行き4mの舞台後方に仏像安置スペースを配し、礼拝講堂としてのやすらぎの創出に努めた。
スタンダードでオーディナリーな体育館という建築にこれほどまでに奥深い気配をもたらすことになったところの厳しい制約と条件に、今は設計者として殊の外感謝しているところである。

所在地
規模
敷地面積
建築面積
延床面積
竣工年
用途
: 大阪府藤井寺市
: 地上2階
: 32,238.55m2
: 1,099.03m2
: 1,130.68m2
: 2016年
: 小学校体育館

©SS Osaka

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