Shin Takamatsu Architect and Associates Co.,Ltd. 株式会社高松伸建築設計事務所

天津博物館

中国天津市が建設する博物館の設計競技に参加する建築家のひとりとして指名された。とはいえ、競技の要項を入手して唖然とすることになった。設計の指針となるプログラムが全く存在していないに等しかったからである。即ち、収蔵品の内容や量、運営システムはともかく、なんと博物館の規模や建設費に関する情報さえ皆無。加えて、あろうことか敷地さえ確定的なものではないとのこと。中国の事情からしてこの程度のことはそれほど驚くにはあたらないにしても、心底愕然としたのは設計に関するほとんど唯一の条件を示す一文。そこにはこうしたためてあったのである。「中国天津市の威信を体現する建築でなくてはならない」・・・と。途方に暮れつつも、この言葉は大いに受けることにした。考えてみればこれほど建築家冥利に尽きることはないというわけだ。ということで、思いっきり想像力の翼に重ねることにした。なにを隠そうその翼を用意してくれたのは現地の大気汚染で鈍色に染まった空を飛ぶ一羽の鳥であった。その白鳥に似た鳥を目にした刹那、一気に建築が誕生した。おそらく後にも先にもこのようにして建築家として働くことは二度とない。設計案を「SWANIUM」と命名して提出した。ちなみに設計競技審査委員会が公表した「SWANIUM」に関する講評もまたたった一行。「あまりにも美しい」。

所在地
規模
敷地面積
建築面積
延床面積
竣工年
: 中国 天津市
: 地上3階
: 50,200m2
: 18,667m2
: 33,949m2
: 2004