私鉄沿線に建つ歯科クリニックである。一階は私室、二階は診察室、三階はクライアントの趣味であるところの蘭を展示するギャラリーに充てられている。京都固有の都市と建築の特異な関係に着目しつつ、これまでの実践において不断に試みてきた手法をこの建築の設計において徹底的に展開した。「両義的建築」のための手法とでも言おうか。極言するならば「形態は都市に従い、空間は機能に従う」そのような建築のための手法である。当然のことながら、生産目的を失うために稼働する機械の如き建築が誕生した。 クリス・フォーセットはこの機械を「スタティック・エクスプロモージョン」と喝破した。
仁科歯科医院 ARK
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