Shin Takamatsu Architect & Associates

イスラエルのテルアビブ市に本拠を置くディベロッパーが、ビジネス開発エリアの一画に用地を取得し、我々にオフィスビルの設計を依頼した。既に幾つかのオフィスビル建設が始まっており、今後もヨーロッパの著名な建築家達の設計による大小のビルの建設が予定されているという。用地は開発エリアの先端に位置するという絶好の条件である。加えてクライアントは突出した存在感を有するデザインを望んでいる。建築の高さは120mに制限されており、それほど高いビルの建設が可能なわけではない。このやや厳しい条件と、エリア先端の立地にふさわしい鋭い三角形の敷地形状の特性を徹頭徹尾利することが、特異な意匠を導くことになった。 あらかじめ先行するデザインモチーフが存在していたわけではないものの、結果的に鋭角的な敷形状が誘発するに至ったところの扇状の構造体が統べる翼を休める鳥の如きフォルムが誕生した。クライアントは即座にこれを「フェニックス」と命名した。

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