eph KYOTO

京都駅の南、昨今のインバウンドブームを受けて増加の一途を辿るホテル建設の騒音はもとより、旅行者の嬌声も届かぬ奥深い路地の一画に、この建築は佇んでいる。にもかかわらずそのファサードのデザインはまさに乾坤一擲。千二百年の京の歴史を一気に編み込んだかの如き友禅の意匠を一瞬の造形に解き放っている。名付けて「織縁」。もとより縁はこの地を、そしてこの建築を訪れる人々が自ら結ぶことになる。蛇足ながら、ひとつひとつの小さな客室は「離宮」の荘厳を範としている。