「立命館大学いばらきキャンパス」開設に伴い、茨木市はかねてより懸案であったところの駅利用者の増加や路線バス増便、バリアフリー化に対応すべく、駅前広場の再整備計画に着手した。具体的には明解な動線計画やバス停留所の集約、動線の機能の強化即ちエスカレーター・エレベーターの拡充、及び2階コンコースレベルに市民や学生の創発的な活動が可能となるスペースを確保すること実践的な課題となった。これに対する我々の回答は「クラウド」である。インターネットのクラウドサービスを想起するのに如くは無いが、つまるところ、活用したい時に活用可能な空間の構想こそが行政の要請に対する単純明快な応答であることを認識し、これを「クラウド」という言葉に託した次第である。その言葉の擁力に誘われつつ、結果的に2枚の純白のプレートが中空に漂う建築が誕生した。このフォルムに文字通り「雲」を想起してもらえることになれば設計者冥利に尽きるところである。
JR茨木駅東口駅前広場
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