Shin Takamatsu Architect & Associates

 

大小の国際会議場、西日本では最大規模となる見本市会場、県の各種産業支援部門のオフィス等によって構成されるところの公共複合施設である。これらの諸機能を統合する事は当然のことながら、施設を利用する多様な人々のダイナミックな交流による新たな産業シーズの生成や、異なるジャンル間の横断的なネットワークの形成を誘発する能力を有する創発的な建築の創出が求められた。難題である。行政のプログラムに逐一準拠する限り、半ば自動的にリジットでタイトな構成に帰着する結果となるのは免れない。とはいえ、我々は、それを承知の上で、アトリウムやガレリアなどいわば巨大な非機能的空間を、緊縛された構成の空隙に象嵌することによって課題に応えることにした。このような空間こそが先の能力、すなわち不可測的な可能性を受胎する能力を有すると考えたからである。

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