Shin Takamatsu Architect & Associates

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京都特有の奥行90mという短冊状の土地における、織陣Ⅰに始まる本社社屋建築計画がこの織陣Ⅲによって完結することになった。これによってふたつの通りに面してふたつの顔を持つ、クライアント言うところの「双頭のドラゴン」が誕生した。この建築の設計において採用した手法は、その全てがこれまで試行し確認したものであることを最初に断っておかなければなるまい。京都の町並みやその細部から抽出したところの「縮退したスケール」と呼ぶところの寸法制御法、ARKやPHARAOHで開発したところの動的な形態操作のための「形の力学」、その都度異なる方法で表出を試みた「空間の深度」。特に織陣Ⅰにおいて意識的に追求した「形態の強度」。そのような仮説的演繹法を通じて獲得した帰納的収穫の幾つかをこの織陣Ⅲでは一挙に凝集した。過去の遺産の蓄積こそが可能する地平において「平面計画の力動性と形態の強度の相補性との関連」や「水平軸という新たな規準面」など新たな手法を見出すことになった。

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