Shin Takamatsu Architect & Associates

台湾第二の都市高雄市における地下鉄駅施設である。地下3層のコンコース、大小12基のエントランスによって構成されている。メインエントランス4基は地上のふたつの主要道路の交差点に位置しており、メインエントランスと交差点を含む直径140mの円形広場と中央の直径50mの池がその存在を際立たせている。ちなみに、この交差点は1947年に始まる台湾民主化運動の契機となった事件が勃発した象徴的な場所であり、設計競技においては、建築の記念碑的な価値が審査の対象のひとつとなった。800種類の異なる形状のガラスが形づくるところの、まさに交差する一点からジオメトリカルに導かれた3次元曲面によるメインエントランスの意匠は、そのような苛烈な要請への直截な応答から導いたものである。審査委員会はその造形に「合掌」の形を読み取り、「祈りのかたち」と評価した。

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