Shin Takamatsu Architect & Associates

-Kingdom

立地であるところの天母は、現地駐在の外国人や富裕層の多くが日本統治時代を思わせる家屋が建ち並ぶ台北の一等地である。市内の近代的な高層ビル群や、圓山大飯店・陽明山・寺院など、まるで現在の台湾を凝縮したかの如き風景の力に誘われて、我々はこの地でこそ可能なシンボルの創出に傾注した。つまるところのランドマークとなる建築をデザインである。モチーフ、色調・素材のある一定の調律に則した制卸、その制卸の格調をひたすら強化するディテールの象嵌など、習熟した手法を駆逐した。格を帯びる建築が誕生することになった。クライアントは、これを「KINGDOM」と命名した。

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