Shin Takamatsu Architect & Associates

この集合住宅の敷地は科学工業都市新竹市の中心、科学工業パークに隣接するとともに、新竹市民の憩いの場である美しい人工湖に面している。当のパーク内では世界に名だたるIT・電子企業が工場を構え、24時間休み無くチップを製造している。言うなれば、このパークこそが、デジタル製品に囲まれた台湾の人々の日常を支えていると言っても過言ではない。要するに集合住宅の立地としては実に特異な環境である。加えて現地一帯は法改正直後であり、この建築が初の高層建築となる。ということで、かかる事態は、日頃ランドマーク建築を実現するチャンスを待ち望んでいる設計者にとって、またと無い機会が訪れたということ以外のなにものでもない。これに応えて展開した数々の手法は、全てがこれまで営々と鍛え上げて来た得意のスキルであると言ってよい。即ち、意匠的蓄積をボリュームへと変換し、技術的蓄積をディテールへと置換しつつ、これを一定のシステムによってデジタル化するというものだ。これによって、この地の特異な先端的イメージと建築的造形との野合を達成する。ランドマークは、本来的にそのような挑戦によってこそ可能となる。

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