平成22年竣工にして3年を迎える近畿産業難波支店の意匠は、その清楚な佇まいによって、近畿産業信用組合の存在を一挙に世に知らしめることになったと言っても過言ではない。近畿産業信用組合京都支店の改修および西院支店の新築の意匠は、そのデザインコンセプト「和装の麗人」を継承するとともに、古都京都にふさわしい意匠へと、さながら丹念に帯地を織り上げるが如く昇華したものであると言える。まるで絹糸の如き艶めきを加えた純白の基調色、大胆かつ精妙に調律された絵羽模様の羽織を思わせるインテリアデザイン、ひそやかに寄り添うようなたおやかな木質の仕様など、意匠の全ては京の女性の居ずまいにそこはかと漂う「はんなりとしたいざない」と「こころなごむおもてなし」を象徴している。
近畿産業信用組合西院支店
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