Shin Takamatsu Architect & Associates

名古屋市に隣接する町が、大都市近郊特有の様々な社会病理を見据え、他に例の無い福祉施設の建設を決定した。構想の枠組みは一般的な公共施設の枠組みをはるかに超越している。即ち、行政管轄的には本来相互に独立すべき7つの部門を、互いの機能を損なうことなくそれほど大規模でもない建築に集結せしめようというものだ。もとよりプログラムの意図は一目瞭然である。従来の閉鎖系目的達成型ではなく、いわば開放系目的創生型公共建築の創出である。設計者はかかる要請に「ウィービング」の手法で応答した。即ち諸機能が互いの能力を相殺することのないよう留意しつつ、これらをゆるやかに縫い合わせるというものである。結果、東西の棟がまるでよじれた染色体の如く互いを編むような建築が完成した。町はこの施設を「もえの丘」と命名した。「もえ」とは「芽生え」の意である。

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